こんにちは、トワカと申します。
皆さんは「タコピーの原罪」というアニメ作品を知っていますか?
話題になっており、名前は聞いたことがある人が多いかもしれません。
今回の記事では、すべて視聴した私が忖度無しの正直な感想を記します。
ネタバレは一切含みませんので、未視聴の方も安心してお読みいただけます。
どんな作品か、何が良くて何が悪いのか、判断の参考にしていただければ幸いです。
それではいきましょう。
総評
個人的評価:98/100
おすすめ度:55/100(一般層)、95/100(暗い・つらい話が好きな人)
注意点:かなりの鬱アニメ
全6話構成ですが、話数の少なさを感じさせない濃密な体験をさせるアニメでした。
情緒がとにかく揺さぶられ、最後には思わず涙を流してしまいました。
第一印象としては、とにかく胸が苦しいアニメです。
筆者は暗い・残酷な物語がとても好きですが、そんな私でも本作は息が苦しくなる感覚を覚えました。
一見よくある設定に見えますが、全くありきたりな展開ではありません。
何が正しいのか、誰が悪いのかという問いに安易に答えが出せず、非常に考えさせられる作品です。
しかし、決して万人に勧められる作品ではありません。
特に、メンタルが弱い方、外部から影響を受けやすい方は視聴の際には気を付ける必要があります。
単なるグロさというよりも、人間関係・いじめ・家庭環境といった、現実でも誰しもが体験し得る内容が強烈に描かれるので、精神的に大きな影響を与える可能性があります。
精神的に安定しているときに視聴することをおすすめします。
あらすじ(ネタバレ無し)

©タイザン5/集英社・「タコピーの原罪」制作委員会
小学4年生の女の子「しずか」が主人公であり、小学校での一場面から物語は始まります。
しずかは壮絶ないじめを受けており、そんな中タコのような宇宙生物と出会います。
ハッピー星から来たらしいその生物は、しずかによって「タコピー」と名付けられます。
タコピーは人間や人間世界についてほとんど知りませんが、しずかと共に行動する中で、次第に「しずかちゃんに笑ってほしい」と考えるようになります。
タコピーはハッピー道具という特殊な道具を持っていますが、中途半端なものが多く、現状打破には期待できません。
果たして、タコピーはしずかを救うことができるのか。
と書きましたが、実際はこの観点だけでは話は終わりません。
非常に多岐にわたる人物からの視点で感情の機微が描かれ、ありきたりな展開とは一線を画しています。
良かった点
声優の演技力
感情的な場面の演技力には、脱帽の一言です。
ファンタジー要素がありつつも、基本的には現実的に起こりうる困難な場面を中心に展開します。
そのため、もしかしたら実際に似た経験をしたことのある方は気分が悪くなる可能性すらあります。
フィクションだと割り切るのが難しいくらい、心に入り込んできます。
幸福との対比による絶望の強調
最も関心し、際立っていると感じたのがこの点です。
本作では登場人物の絶望が非常に鮮明に描写されますが、そうした人物とはまるで別世界のような幸福の中で生きている人物が同時に描かれる場面があります。
その対比によって、もともと大きかった絶望が、さらに突き放されたような意味合いを帯びるのです。
現代のSNS社会では恵まれた人の情報がすぐに入ってくるため、誰しもが感じうるような生々しい劣等感・嫉妬・絶望が表現されていると感じました。
負の連鎖
自分がされてきた辛いこととほぼ同じことを、自分以外にぶつける場面がしばしば表現されます。
もちろん情状酌量の余地は大いにありますが、それでも完全に正当化できる訳もなく、いたたまれない気持ちになります。
「こうやって負の連鎖が続いていくのか」「ただの悪人に見える人も、実は裏で重大な事情を抱えているのかもしれない」など、様々なことを考えてしまいます。
ゾッとするような狂気
実際の行動は常軌を逸しているのに、それに全くそぐわない明るい音楽や言動によって、とにかく狂気を感じます。
「何を見せられているんだ」と頭を抱えそうになった場面は数え切れません。
苦しいシーンに適合する悲しい音楽を流されるよりも、何倍も情緒を揺さぶられました。
ただ単に狂っているだけではなく、背景を見てきたからこそ「その行動は悪だ」と断言できないのも、感情の整理の難しさに拍車をかけています。
全話視聴後に観直すと、さらに深い
全てを知った上で初めから観返すと、印象や感じ方が変わる部分が多くあります。
1回目では分からないが、2回目以降に「そういうことだったのか」と腑に落ちる場面も少なくないです。
作中の模倣や対比がちりばめられており、本当に深く作りこまれた作品だと感じます。
人を選ぶ点・悪かった点
絶対的に悪い点はほぼなく、人によってはマイナスになりうる点が主な批判点です。
一見ありきたりな設定に見える
見始めたときは、よくあるいじめをテーマにした作品だと感じます。
さらに、それを宇宙生命体が助けるという展開は「ドラえもん」に近い部分を感じます。
主人公の名前が「しずか」であることも加味し、インスピレーションの元となっている可能性は高いでしょう。
しかし、本作は決してそれだけの物語ではありません。
そこに気づくまでには、そうした既視感を受け入れた上で、ある程度観進める必要があります。
初めから最高速で没入させるというよりは、観れば観るほどどに引きずり込まれる作品だと感じました。
初めはタコピーが鬱陶しい
タコピーは人間のことをほとんど何も知らず、そのため明らかに間違った論理を展開します。
例えば、壮絶ないじめを喧嘩だと認識したり、宿題が分からないから学校に行きたくないんだと結論付けたり。
声の高さとポップな見た目も相まって、正直言って初めは非常にウザいです。
ですが、最後まで見た後にはきっと認識が変わるはずです。
そこに悪意は一切含まれていませんし、終盤ではその無垢さに救いを感じる場面すらあります。
人間と関わるにつれ、間違っているはずのことを切り捨てられなかったり、徐々に人間らしさも芽生えてきます。
もしかすれば、タコピーの成長物語という見方もできるかもしれません。
まとめ
かなり人を選ぶ作品ですが、深く考えさせられる作品が好きな方には刺さるでしょう。
ただし、精神的に余裕のあるときの視聴をおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いです。


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