耳コピに音感は必要ない!初心者向けにコツを紹介【DTM】

音楽全般

こんにちは、トワカと申します。
DTMを趣味で4年ほど続けています。

耳コピがなかなか出来なくて悩んでいませんか?

耳コピには巷で言われるような音感(絶対音感)は必要ありません
実際、私は全く持っていませんが耳コピが得意です。

今回の記事では、耳コピが苦手な初心者の方へ向けてやり方をご紹介いたします。
なお、耳コピする楽曲は一般的なJ-POPを想定しています。

参考までに、下の音源は私がYOASOBIの「あの夢をなぞって」を耳コピしたものです。
作業時間は大体4時間くらいでしょうか。

再現度としては60~70%くらいかもしれませんが、誰でもこれくらいのレベルならすぐに出来るようになります。

「あの夢をなぞって」の耳コピ

目次をクリックすると気になる項目に飛べますので、ぜひご活用ください。
それでは、どうぞ!

はじめに

必要な音楽理論(コード進行)

聴こえたままコピーすればいいから、音楽理論なんて必要ないんじゃない?と思うかもしれません。

確かにその通りなのですが、コード進行に関する知識はある程度持っておかないと原曲通りに再現するのは難しくなります。
YouTubeなどである程度再生されている動画でも実際聴いてみると、明らかにコードが間違っていて違和感がある場合がよくあります。

ここで全てを解説するのは難しいため、本当に最低限のルールだけご紹介します。
かなり噛み砕いているため、かえって分かりにくかったら申し訳ございません。

コード進行

はじめに話をシンプルにするため、キーはCメジャー(ドが主音)とします。
ドレミファソラシドの中で一音飛ばしの3和音を考えると、以下のようになりますよね。

ドミソ、レファラ、ミソシ、ファラド、ソシレ、ラドミ、シレファ

シレファはある理由から扱いが難しいため、あまり使われません。
そのため、最初は使わないものとして考えていいです。

トニック、サブドミナント、ドミナントという概念が存在し、それぞれに当てはまる和音とイメージは以下の通りになります。

トニック(T)… ドミソ、ミソシ、ラドミ <調和・安定・安心>
サブドミナント(SD)… レファラ、ファラド <少しの緊張>
ドミナント(D)… ソシレ <緊張・不安定>

コード進行において、古典的なルールとしてD→SDは禁則(禁止と同義)とされています。
ですので耳コピの際は、この禁則は出来るだけ避けるようにするとスムーズです。
それ以外はどれを用いても大丈夫です。

ただし、古典的なルールのためJ-POPでは用いられることもあります。
一応そういうルールがあるということだけ、頭の片隅に置いておいてください。

中でもD→Tという進行は最も強い解決感があり、そのため曲中でも多く用いられます。
ですので、基本ドミナント(D)が来たらトニック(T)が来ると考えて大丈夫です。

シャープやフラットの付くような複雑なコードについては、より詳しい知識が必要となるため、必要だと感じた時にぜひ調べてみてください。

伴奏のみ耳コピするときの注意

歌モノは当たり前ですが歌がメインのため、ボーカルの音量がかなり大きめになっています(J-POPは特に顕著)。
そのため、instrumentalやoff vocalと呼ばれるカラオケ音源が存在するなら、それを参考にしたほうが伴奏のコピーは絶対にやりやすいです。

耳コピを始める前に、まずはそういった音源が無いか調べてみることから始めてみましょう。

楽器別の耳コピ難易度

まず初めに、J-POPにおいて使われる楽器の耳コピの難易度から整理いたします。
使われる楽器はざっくりと言って下のようなものになります。

ボーカル、ピアノ、エレキギター、アコースティックギター、ストリングス(ヴァイオリンなど)、ベース、ドラム(パーカッション)

これらを耳コピしやすい順に並べると、以下のようになります。
ただし主観の意見なので、多少の個人差が生じるかもしれません。

ボーカル、ベース、エレキギター、ドラム、ストリングス、ピアノ、アコースティックギター

左にいくほど簡単で、右にいくほど難しくなります。

傾向として、音が少ないものほど耳コピしやすいです。
例えば、ボーカルやベースは同時に1つの音しか演奏できないですよね(ベースも和音奏法が存在しますが、J-POPでは一般的ではありません)。

逆に、ストリングス、ピアノ、アコースティックギターは和音でコードを演奏することが多く、すべての音を聴き分けるには少し訓練が必要です。
ただし、上記の楽器でも和音ではなくフレーズ(メロディ)を演奏することがあります。
その場合は難易度がかなり下がりますので、分けてボーカルやベースと同じ項でご紹介いたします。

楽器ごとの解説

以下では、実際に楽器ごとの耳コピについて述べていきます。

ボーカル、その他のメロディ楽器

まずは、比較的耳コピしやすい楽器からです。

とにかく、実際に音を出してみて合う音を探していきましょう。

コツは初めから完璧にしようとしないことです。
耳コピで挫折してしまう原因として多いのは、上手く音が見つけられずにそこから前に進めなくなり、気が滅入ってしまうパターンです。

そうならないために、多少違っていてもいいので1フレーズ作り切ってしまうのがおすすめです。
後日改めて聴き比べてみると、意外に簡単に音が見つかることがよくあります。

ちなみに、その他のメロディ楽器というのは、楽器を問わずメロディを演奏しているものを指しています。
例えば下の音源では、右側で流れている鉄琴のような音です。

ベース

ベースも単音で奏でられることが多いため比較的耳コピしやすいですが、音域が非常に低いためその点では聴き取りづらいかもしれません。

イヤホンやヘッドホンによっては、低音がかなり小さめに聴こえるものもあります。

その場合は、イコライザという音域の強調ができる機能で低音域を強調するのも手になります。
google chromeの拡張機能や、スマホの設定画面、サブスクリプションサービスの設定画面で操作することが出来ますので、どうしても聴き取れないという場合は試してみてください。

ベースはルート音と言って、コードの主音(ドミソならド、コードの一番低い音)を演奏する頻度が非常に多いです。
また、他に使われる音もコードの構成音であることが多いので、それを踏まえれば案外簡単に音の候補が絞れるのではないかと思います。

オクターブ奏法と呼ばれる、ドとその1オクターブ上のドを交互に演奏したりするものもよく用いられます。

エレキギター

エレキギターは曲調によっては歪みが激しいことがあり、聴き取るのが難しいかもしれません。

音を強く歪ませるような激しいロックのエレキギターでは、パワーコードと呼ばれる和音が多く用いられます。

パワーコードとは?
和音は基本的にド+ミ+ソ(+シ♭)のように3音以上で構成されます。
しかしパワーコードでは、ド+ソ(1度と5度)のみを演奏します。

3度を抜くことによって、激しく歪ませたことによる音の濁りを軽減し、それでいて重厚感のある音を演奏することが出来るのです。

よって、激しいロックでエレキギターがコードを演奏していた場合、基本的にパワーコードとして問題ありません。

ドラム(パーカッション)

ドラムと一言で言った場合、基本的にドラムセットを指します。
椅子があって、その周りにシンバルやスネアドラム、バスドラムなどが配置されているような楽器のことです。

パーカッションは打楽器全般を指す言葉で、ウィンドチャイムやタンバリン、トライアングル、ビブラフォン(鉄琴)などがあります。
ここでは、ドラムセット以外の打楽器すべてを指すことにします。

しかし、パーカッション全てを耳コピしようとするとものすごく小さい音まで聴き取らないといけなくなり、挫折してしまう可能性があるので最初はドラムセットのみで大丈夫です。

ドラムセットは以下の要素から構成されると考えてください(正式名称とは限りませんが、どれも一般的に使われる名称です)。

1. スネアドラム、バスドラム、ハイハット
2. シンバル

3. タム(高音・中音、低音)
4. ライドシンバル(ライドベル)

上に行くほど使用頻度が多くなり、タムやライドシンバルは用いられない曲もあります。
ですので、まずは1.と2.の聴き取りだけに集中してみましょう。

ドラムはとにかく聴き取る練習をするしかないのですが、以下のことを気を付けると少しやりやすいかもしれません。

・シンバルとバスドラムは同時に鳴らす
・スネアドラムは2、4拍目に鳴らされることが多い
・ハイハットはオープン(長い音)とクローズ(短い音)の2種類の音がある

ストリングス

ストリングスは以下の4種類がJ-POPでは使われます。

1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ

左から順に音が低くなっていきます。
ヴィオラとチェロは他の伴奏に埋もれやすいため、聴き取れそうに無ければ慣れるまでは無しでも大丈夫です。

1stヴァイオリンはJ-POPでは高音で独立したメロディを奏でることが多いため、聴き取りやすいと思います。
全く同じメロディをオクターブ下で重ねること(オクターブユニゾン)も多いです。

ところで、ストリングスアレンジには和声法、対位法と呼ばれる古典から伝わるルールが存在します。
しかし、耳コピ初心者にはまず必要ありませんし、そもそもJ-POPでは考慮されていないことも多いのでここでは省略します。

ピアノ、アコースティックギター

ピアノもアコースティックギターも、J-POPにおいてコード演奏を担当することが非常に多いです。

実際の楽曲におけるコードで3和音だけが用いられることはほぼ無く、セブンス、ナインス、ディミニッシュコードなど多種多様なコードが存在するため、全てを聴き取るのはとても難しいです。
個人的に、アコースティックギターはピアノ以上に聴き取りづらいと感じます。

どうしてもかなり詳しいコードの知識が必要となってしまうため、優先順位は低く設定してもらって大丈夫です。

とりあえず3和音を打ち込んで、それに加えて「こんな音が入ってそうだな」と感じた音を足してみて、いろいろ聴き比べることを続けると耳が育って次第に聴き取れるようになります。

ちなみに、セブンスと呼ばれるものがJ-POPにおいてとてもよく用いられるコードになり、3和音の上に7度の音を加えたものになります。
ドミソの場合、シとシ♭の2種類存在するので、どちらが合うか原曲と聴き比べながら試してみてください。

まとめ

この記事では、耳コピのやり方について解説していきました。

初めから完璧にしようとしないことが何より大切なことになります!
続けていくうちに上達していくので、まずは完成度にこだわりすぎずに数をこなしてみてください!

この記事が、少しでも皆様の助けになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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